新規取引先の与信判断には信用調査会社から入手した信用調査(企業情報)レポートを入手し、自社規定に沿って審査を行うことが一般的ですが、この信用調査は独自に行うことができます。
調査は、取引を検討中の企業代表者に営業担当が直接質問をする形で行います。
下記の項目を順番に尋ねていきましょう。
可能であれば組織図をもらい、人員配置や業務内容を聞きましょう。
その際、役員の氏名も忘れずに聞いておきましょう。
オンラインで取得できる商業登記簿には、代表取締役のほか、取締役や監査役も記載されています、実際にヒアリングした方との差分をチェックしましょう
付き合いのある金融機関のなかで、メインバンクやサブバンクがどこの銀行かを聞きましょう。
ベストは各銀行名に加えそれぞれの預金、借入金、手形割引有無などをヒアリングすることですが、相手に不快感を与えないように注意してください。
保有している設備の状況や、追加の設備投資予定を聞きましょう。
設備はリースか買取かで財務負担の有無を判断することができ、設備投資計画は今後の販売計画を予測することができます。
何年お付き合いがあるかや、支払サイトを聞きましょう。
分散取引をしているか、取引先から不利な支払条件を強いられていないかがポイントです。
自己資本金額や売上高、利益等の数字を伺います。可能であれば3期分の決算書をもらいましょう。
踏み込んだ項目もありますが、先方のウェブサイトで公開している情報を事前にチェックし、気になる点だけを質問することで、手間を省くことができます。
自社で調査する場合、営業担当者が通常業務とは別に、調査のために先方まで出向いて取材をするため、相応の内部コストがかかります。
コストだけを切り取って考えると調査会社に依頼をすることと変わらないと感じるかもしれませんが、信用調査レポートにも自社調査ではカバーできないメリットがあります。
例えば、第三者機関である信用調査会社のプロの調査担当が聞き取ることで、利害関係の強い自社の営業担当者では聞くことができない核心に迫った情報を入手できることがあります。
ほかにも、信用調査会社のレポートには、独自のノウハウが蓄積された倒産確率を表したスコアや与信限度額、調査員のコメント等が記載されており、スムーズな与信判断を可能にします。
この項目さえクリアになれば取引を前に進める、というのであれば自社調査を、総合的な判断資料が欲しいという場合はレポートを、というように目的に応じて使い分けるのが賢明です。
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