与信審査は、取引可否を判断する重要な業務で、会社の将来を担う一大イベントといっても過言ではありません。
なぜなら、誤った判断をして取引先が倒産してしまうと、会社に大きな損害を与えてしまうことになるからです。
安全性の高い優良企業とのみ取引できれば、焦げ付きリスクを減らすことができると思われるかもしれませんが、そのような企業には既に他社が深く入り込んでいる可能性が高く、商機は薄いでしょう。
となれば、他社では取引をしないような多少リスクのある企業との取引を考えることも必要です。
モノやサービスが溢れる昨今、新たに販売先を探すことは至難の業です。かといって、やっと見つけた見込み先企業を、社内基準に満たないからといって、取引不可と判断してはいけません。
そのような場合はなるべく貸し倒れリスクが低くなる取引条件を検討しなければなりません。
どんな商売でも初めは細々と始まるものです。
いまは取引額の小さな相手でも、相手の事業が成長していくことで取引も拡大していき、将来、大口取引先となる可能性を秘めています。
そのため、審査担当者は代金が回収できるかだけでなく、取引先企業に成長性があるかどうか、自社にとって大事な顧客に育つかどうかの2つの軸を持って、審査を行う必要があります。
一般的な与信審査の手順は下記の通りとなります。
与信審査の手順
違和感のある部分は与信管理担当者が先方へ電話をして確認します。
場合によっては、直接面談をすることもあります。
直接会って話を聞くことで、数字の裏付けはもちろん、数字だけでは分からない社内やそこで働く人の雰囲気なども感じ取ることができ、今後の展望や方向性の納得感を得ることができます。
特に中小企業では、経営者能力がダイレクトで経営に表されることが多いため、会話を通して、経営者の資質に触れることは極めて重要です。
与信審査に必要な心構えは前述した通りですが、取引を迷っている際に最終的な判断を下すのは日ごろの審査業務で培った担当者や社長の感覚です。
日頃から業界動向はもちろん、世の中の動きにアンテナを張り感性を養うことが、より良い判断をすることに役立ちます。
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