当社の全世界10万社の顧客がこの一年間で、最も新規調査を依頼した国が中国です。世界中の企業が中国企業に懸念を抱いている証拠です。
依然として、中国経済の減速が止まりません。先日発表された1~10月の固定資産投資は地方政府の財政難で伸び率は前年同期比5.2%と過去最低となりました。
10月の工業生産も前年同月比4.7%増にとどまり、急回復した9月から失速。主力の車やスマートフォンだけでなく、これまで堅調だった鉄鋼やセメントも不振でした。
これまでの経済的な軋轢に加えて、今後は政治的な衝突も懸念されます。11月27日、米のトランプ大統領は、「香港人権法」に署名しました。香港の一国二制度が守られているかを米政府が監視する法律です。
長期化、過激化する香港のデモに対し、中国政府は譲歩の姿勢を示していません。
米の法案に対しては、内政干渉だと猛反発しています。一方、24日の香港の区議会選挙では,民主は議員が8割超を占める結果となりました。
こうした、終わりの見えない米中貿易戦争に加え政治的な摩擦によって、中国企業は間違いなく疲弊し始めています。
米ニューズウィークの報道によれば、米に対する関税増加に伴い、浙江省では輸出を中心としていた中小工場のうち、30%が倒産しました。また、中国市場から撤退する外資系企業も増えています。
2019年も日本企業の関心の中心は中国に注がれることになりそうです。